2018年 夏 あつい

 あまり覚えていなくともスマートフォンの履歴を見てTTHHは自分の愚昧さに新たに失望した。ひとこと詫びを送信して、フローリングから起き上がり、カーテンから溢れる薄い朝日を受けながらベッドへ身を移した。

 スマートフォンがアラームを鳴らして改めて目を覚ました。パスタを茹でる。生卵と納豆と、スーパーで買ったサラダを混ぜる。シーチキンと胡麻を入れる。TTHHは新陳代謝がおかしいのと生活自体が不摂生なので朝はきちんと食べる。寝坊するとコンビニエンスストアで軽食を買って摂取する。TTHHは30代中盤だが、10年後20年後に同じ生活はできていないかもしれないと思っている。しかし、なんの措置もしていない。彼にはそれができない。TTHHは精神障害者である。級数は2級である。偶数の月には年金を受給している。

 

 洗濯機を回したが終わる時間を計算することができず彼は途中で家を出た。夜には雨が降る予報だったのでまあいいと思ったのだった。彼には想像力が決定的に欠けていた。その結果、彼は非正規雇用者として、低所得者として日々を送っているのかもしれないがそれはわからない。

 

 この日は職場の倉庫では仕事が少なかった。TTHHは多汗症かつ熱中症になりやすい体質であり過去にそれを理由に欠勤(はたから見るところのさぼり)を重ねていた。プライドの高いTTHHはそれに焦っていた。

 

 仕事が少ないのはいいが、なにもしていないのを職場の者に見られるのは気まずい。TTHHはごまかすために置いてある段ボール箱を動かしたり貼ってあるガムテープを剥がしたり、また貼ったり、剥がしたり、はたまた貼るのか、剥がした。彼は複雑なことを考えたり行ったりす知能を持っていなかった。

 

 夕方になり逃げるように退勤したTTHHは今後のことを考えたがなにも思いつけなかった。給料日まではまだあと2週間あるが、財布の中には数千円しかなかった。金策をしなければいけない。TTHHにはアルコールへの依存がある。

 

 TTHHは行動よりも空想の人であった。

 ものの本によると二葉亭四迷という人もそうだったらしいと読んで悲しくなった。しかししょうがないのだ。

 

高校生のための小説案内

高校生のための小説案内