
ブラック・ジャック (2) (少年チャンピオン・コミックス)
- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 1974/08/01
- メディア: コミック
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第9話『ナダレ』
【あらすじ】
脳の研究でノーベル医学賞を受賞した大江戸博士には弟がわりのナダレという名の鹿がいる。ナダレの知能を向上させんと大江戸は古今例のない手術をBJに依頼する。授賞式に出席するため旅立つ博士。土地開発の進む地に残されたナダレ。
【感想】
『もののけ姫』『平成狸合戦ぽんぽこ』……なんでもないです……。
90年代に物心のついた私には想像しづらいが、70年代の「人間の、地球への狼藉」が地続きになって現代に至っている(ずっとその以前からあるのでしょうが)。なんとなくいまはわりとましな気がするけどもそれは知らないだけか、麻痺してる。
それでも私はゴキブリも蚊もいない生活を望みます。人類の発展が文化を殺すとしても、私たちは文明によって生かされている。日本が江戸時代に逆戻りしたら障害者、老人、体の弱い子供からどんどん死んでいくだろう。それを望ましく思う人もいるようです。
第10話『畸形嚢腫』
【あらすじ】
BJ邸に担ぎ込まれたのは巨大な嚢腫を持つ、ただならぬ身分の女性。レントゲンによると嚢腫の中には脳から腸から人間の組織が人間ひとり分丸ごと包まれている。今まで何人もの医者がこの嚢腫を取り除こうとしたが、その度に医者は精神に異常をきたし失敗している。BJも同じく狂わされかけるが「お前を生かす」と約束しオペを始める。
【感想】
ピノコ登場です。
BJはあらゆる患者を治そうとする、命を救おうとする。それがいいことなのかどうかはわからない。「生命」「生きる」=「善」なのか(そういう話もこのあと出てきます)
第11話『ピノコ愛してる』
【あらすじ】
ピノコ暴れまくりの中、交通事故に遭った子供の患者が担ぎ込まれる。腎臓が二つとも潰れており、誰かから移植しなくてはならない。
【感想】
前回と上下編になっているのでは? 瀕死の怪我を負った個体を治療しようとする生物は人間だけ(「いや深海生物のxxは」「微生物のxxは」みたいな話はしてません)。その歪さがヒューマニズムなのか。「人間らしい」という言葉は「男らしい」「女らしい」みたいでなんか変だな。そう思わない人もいるようです。
あと個人的に最初の頃のピノコはあんまりかわいくないって思っちゃう。